立正あんこく論 (安国論) 語句解説 6

□立正あんこく論 語句解説 6
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1.
後鳥羽院の ぎょうに 法然と いうもの 有り.
第82代の後鳥羽院天皇の時代に、法然という僧侶がいた。

2.
せんちゃくしゅう(選択集).
法然が代表の著作物で、浄土宗の教義を書いた書物。

3.
じゅっぽう(十方).
東西南北、東北、東南、西北、南西に上下(天と地)を合わせてじゅっぽうという。

4.
道綽禅師 聖道 浄土の 二門を 立て.
道綽禅師とは、中国浄土宗の第4祖の僧。この中国浄土宗が聖道門と浄土門を立てた。
中国浄土宗では、この世で悟りを開き 成仏するための修行を聖道門と呼び、あの世の極楽に往生する修行を 浄土門と呼んだ。
この道綽禅師は、法華経を含まない にぜんきょうのことを聖道門と言っているにもかかわらず、日本浄土宗の始祖である法然は、法華経も含めて我見で批判した。

5.
密大 および 実大をも そんすべし. 
密大とは 真言宗の秘密のきょう(だいにちきょうなど)が優れた経典であり、他の経典を低い教えとして卑しんだもの。実大とは、天台大師が 法華経が 実大のきょう(じっきょう)とし、他の ニゼンきょうを 方便の低い教えとしたもの。
法然は、この真言の教えも天台の教えも 聖道門に属すのであるから、浄土門に劣ると 主張した。

6.
仏心. 
禅宗のこと。

7.
華厳 三論 ほっそう じ論 じょう論.
華厳とは 華厳宗のこと。三論とは ねはんぎょうを主とした「一切皆くう」の教えを主にしている宗派。ほっそうとは 法相宗のことで、主に華厳きょうを主としている。じろん (地論) とは じろん宗のこと。この じろん宗は、中国で一時流行したが、やがて華厳宗に吸収された。じょうろん(摂論)とは じょううろん宗のことで、のちに法相宗に吸収された。

8.
どんらんほっし(曇鸞法師). 
中国念仏宗の開祖。念仏を易行道とし、修行しやすい道と定め、他の経典(ごんだいじょうきょう)を 修行しがたい道と排斥した。

9.
竜樹菩薩の十住毘婆沙. 
竜樹菩薩が表わした 大乗経典の十住毘婆沙論のこと。

10.
あびばっち(阿毘跋致). 
梵語のアビバチカの写音で、不退転のこと。どんな誘惑や迫害があっても退転しない境涯のこと。

11.
善導ワショウ. 
中国浄土宗の僧侶。ゼンドウワショウ(善導和尚)は、浄土の法門を30年演説したが、気がくるって 柳の木の上から 極楽往生するために 飛び降り自殺をはかった。結果 死ねず、7日7夜 くるしみぬいて死去した。

12. 
観きょう(観経). 
浄土三部きょうの1つ。方等部に属し、釈尊が 神通力をもって じゅっぽうの浄土を示したところ、あじゃせ王の母が西方極楽浄土を選んだことが語られた経典。釈尊はこのとき 阿弥陀仏と極楽浄土を説くが、母の悩みには根本的に答えていない。(悩みの解決にはなっていない)

13. 
みだ(弥陀).
阿弥陀如来のこと。さいほう極楽浄土の教主。
仏の説に歓喜し、信心の心を起こして、王位を捨てて僧となった法蔵比丘が、国土を荘厳し浄化することを願い、この願いを成就した結果 阿弥陀如来となる。そのぶっ国土は、さいほう(西方)十万億のぶっ国土を過ぎたところにあるという。念仏宗はこれを用いているが、この経典にある「唯 五逆と 誹謗しょうほう とを除く」という部分を隠している。

14.
せてん(世天)
諸天善じんのこと。

15.
百即百しょう(百即百生). 
念仏を唱えれば、百人が百人 極楽浄土に往生できるとの邪義。

16.
千中無一.
善導ワショウが立てた邪義。浄土三部きょう以外の経典を雑行として仏説を誹謗したもの。どんなに どくじゅしても千人のうちに1人も成仏できないとした。

17.
ほうじょうじゅうきょう(法常住経).
訳者不明の経典。「法は常住なり。仏あるも、仏なきも、法の住するは もとのごとし」とある。

18.
じょうさんのもん(定散の門). 
観無量じゅきょうに、極楽浄土へ往生する修行方法を説いている。この修行は まっぽうの 修行方法ではない。これを 法然は まっぽうの修行方法と主張した。

19.
さんじん(三心).
誠実な心、深い心、回向を願う強い心をいう。

20.
法華真言.
天台宗が真言宗の邪法に侵されて、法華と真言の混血のようになっていた。

21.
或は 捨て 或は 閉じ 或は さしおき 或は なげうつ 此の 四字.
捨閉閣抛のこと。

22.
五逆.
父を殺す、母を殺す、あらかんを殺す、破和合僧、仏の血を流すの5つの大罪。
あらかんとは 「世の尊敬を受けるに値する人」の意味。聖者をいう。

23.
かいもん(誡文).
教え。戒めの文章のこと。

24.
みょうくにいって(冥衢にいって).
「暗い道に入って」の意味。正しい仏法を見失って邪教に惑わされるさま。

25.
どうもうをうたず(瞳矇を ウたず).
どうもうとは、事理に暗いこと。「どうもうをうたず」とは、目を開かせないという意味。

26.
伝教.
伝教大師、最澄のこと。日本国天台宗の開祖。

27.
ぎしん(義真).
伝教の跡をついで 比叡山の座主となった。中国語が話せたことから、伝教の にゅう唐に 通訳として随伴した。

28.
慈覚.
比叡山第3の座主。天台宗に真言の悪法を取り入れた。真言宗に対抗し、台密を立てた。

29.
智証.
比叡山第4の座主。第3代の慈覚より さらに真言の悪法を重んじた。

30.
一朝.
日本のこと。

31.
けかい(華界).
僧院、寺院、仏閣のこと。

32.
れんぐう(蓮宮).
けかいと同じ意味。寺院のこと。

33.
げんとう(現当).
現世 および 来世のこと。

34.
虚空 地蔵.
虚空菩薩と地蔵菩薩のこと。虚空菩薩とは、大きな慈悲、人を利し 生かす菩薩のこと。地蔵菩薩は、六どうの衆生を導く菩薩のこと。

35.
ぐんごうをよせて(郡郷を寄せて).
寺院のために、天皇や将軍が広大な土地を寄進すること。ぐんこうとは、1郡、1ごうという単位の土地のこと。

36.
さいどのぶっだ(西土の仏駄).
阿弥陀如来のこと。

37.
くぶつ(供仏).
仏に供養すること。

38.
せそう(施僧).
僧に 金銭や食物を 供養すること。

39.
がしょうの けむり おい(瓦松の 煙 老い).
屋根の瓦に苔が生えて松のように見えるさま。また、家から昇るかまどの煙もほそぼそとして活気がないこと。

40.
住持.
寺の住職になること。

41.
円を 捨てて 偏を 好む.
円とは完璧な教え、偏とはかたよった低俗な教えのこと。

42.
かのばんき(彼の 万祈).
様々な宗教で祈祷をおこなっていること。

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by hiraganagosho | 2013-03-24 21:38 | 立正あんこく論