立正あんこく論 (安国論) ひらがな漢字交互文 11

◎立正あんこく論 ひらがな漢字交互文11
(ごしょ30ページ8行目から31ページ6行目)

きゃくの いわく. 
客の 曰く. 

もし ほうぼうの やからを だんじ もし ぶっきんの いを ぜっせんには かの きょうもんの ごとく ざんざいに おこなう べきか. 
若し 謗法の 輩を 断じ 若し 仏禁の 違を 絶せんには 彼の 経文の 如く 斬罪に 行う 可きか. 

もし しからば さつがい あい くわわって ざいごう いかんが せんや. 
若し 然らば 殺害 相 加つて 罪業 何んが 為んや. 

すなわち だいしつきょうに いわく. 
則ち 大集経に 云く. 

「こうべを そり けさを ちゃくせば じかい および きかいをも てんにん かれを くようすべし. 
「頭を 剃り 袈裟を 著せば 持戒 及び 毀戒をも 天人 彼を 供養す可し. 

すなわち われを くようするに なりぬ これ わがこなり もし かれを かだすること あれば すなわち わが こを うつに なりぬ」. 
則ち 我を 供養するに 為りぬ 是れ 我が 子なり 若し 彼を カ打する事 有れば 則ち我が 子を 打つに 為りぬ」. 

もし かれを めにくせば すなわち われを きにくするに なりぬ. 
若し 彼を 罵辱せば 則ち 我を 毀辱するに 為りぬ. 

はかり しらんぬ ぜんあくを ろんぜず ぜひを えらぶこと なく そうりょ ならんに おいては くようを のぶべし. 
料り 知んぬ 善悪を 論ぜず 是非を 択ぶこと 無く 僧侶 為らんに 於ては 供養を 展ぶ可し. 

なんぞ その こを だにくして かたじけなくも その ちちを ひあいせしめん かの ちくじょうの もくれんそんじゃを がいせしや. 
何ぞ 其の 子を 打辱して 忝くも 其の 父を 悲哀せしめん 彼の 竹杖の 目連尊者を 害せしや. 

ながく むけんの そこに しずみ だいばだったの れんげびくにを ころせしや. 
永く 無間の 底に 沈み 提婆達多の 蓮華比丘尼を 殺せしや. 

ひさしく あびの ほのおに むせぶ. 
久しく 阿鼻の 焔に 咽ぶ. 

せんしょう これ あきらかなり こうこん もっとも おそれあり. 
先証 斯れ 明かなり 後昆 最も 恐あり. 

ほうぼうを いましむるには にたれども すでに きんげんを やぶる このこと しんじがたし いかんが こころえんや. 
謗法を 誡むるには 似たれども 既に 禁言を破る 此の事 信じ 難し 如何が 意得んや. 

しゅじんの いわく. 
主人の 云く. 

きゃく あきらかに きょうもんを みて なお その ことばを なす. 
客 明に 経文を 見て 猶 斯の 言を 成す. 

こころの およばざるか りの つうぜざるか. 
心の 及ばざるか 理の 通ぜざるか. 

まったく ぶっしを いましむるには あらず ただ ひとえに ほうぼうを にくむなり. 
全く 仏子を 禁むるには 非ず 唯 偏に 謗法を 悪むなり. 

それ しゃかの いぜん ぶっきょうは その つみを きると いえども のうにんの いご きょうせつは すなわち その せを とどむ. 
夫れ 釈迦の 以前 仏教は 其の 罪を 斬ると 雖も 能忍の 以後 経説は 則ち 其の 施を 止む. 

しかれば すなわち しかい ばんぽう いっさいの ししゅう その あくに ほどこさず. 
然れば 則ち 四海 万邦 一切の 四衆 其の 悪に 施さず. 
 
みな この ぜんに きせば いかなる なんか ならび おこり いかなる わざわいか きそい おこらん. 
皆 此の 善に 帰せば 何なる 難か 並び 起り 何なる 災か 競い 来らん. 

31ページ冒頭

きゃく すなわち せきを さけ えりを つくろいて いわく. 
客 則ち 席を 避け 襟を 刷いて 曰く. 

ぶっきょう かく まちまちにして ししゅ きわめ がたく ふしん たたんにして り ひ あきらかならず. 
仏教 斯く 区にして 旨趣 窮め 難く 不審 多端にして 理 非 明ならず. 

ただし ほうねんしょうにんの せんちゃく げんざいなり しょぶつ しょきょう しょぼさつ しょてんとうを もって しゃへいかくほうと のす その もん けんねんなり. 
但し 法然聖人の 選択 現在なり 諸仏 諸経 諸菩薩 諸天等を 以て 捨閉閣抛と 載す 其の 文 顕然なり. 

これに よって しょうにん くにを さり ぜんじん ところを すてて てんか きかつし  せじょう えきびょうす と. 
コれに 因つて 聖人 国を去り 善神 所を 捨てて 天下 飢渇し 世上 疫病す と. 

いま しゅじん ひろく きょうもんを ひいて あきらかに り ひを しめす. 
今 主人 広く 経文を 引いて 明かに 理 非を 示す. 

ゆえに もうしゅう すでに ひるがえり じ もく しばしば ほがらかなり. 
故に 妄執 既に 飜えり 耳 目 数 朗かなり. 

しょせん こくどたいへい てんかあんのんは いちにんより ばんみんに いたるまで このむところなり ねがう ところなり. 
所詮 国土泰平 天下安穏は 一人より 万民に 至るまで 好む 所なり 楽う 所なり. 

はやく いっせんだいの せを とどめ ながく しゅう そう にの くを いたし. 
早く 一闡提の 施を 止め 永く 衆 僧 尼の 供を 致し. 

ぶっかいの はくろうを おさめ ほうざんの りょくりんを きらば よは ぎのうの よと なり くには とうぐの くにと ならん. 
仏海の 白浪を 収め 法山の 緑林を 截らば 世は 羲農の 世と 成り 国は 唐虞の 国と 為らん. 

しかして のち ほっすいの せんじんを しんしゃくし ぶっけの とうりょうを すうちょうせん. 
然して 後 法水の 浅深を 斟酌し 仏家の 棟梁を 崇重せん. 

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by hiraganagosho | 2013-03-09 22:06 | 立正あんこく論