立正あんこく論 (安国論) ひらがな漢字交互文 5

◎立正あんこく論 ひらがな漢字交互文5
(ごしょ20ページ18行目から22ページ1行目)

しゅじん さとして いわく ぶっかく いらかを つらね きょうぞう のきを ならべ. 
主人 喩して 曰く 仏閣 甍を 連ね 経蔵 軒を 並べ. 

そうは ちくいの ごとく りょは とうまに にたり. 
僧は 竹葦の 如く 侶は 稲麻に 似たり.

そうじゅう とし ふり そんき ひに あらたなり. 
崇重 年 旧り 尊貴 日に 新たなり. 

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ただし ほっしは てんごくにして じんりんを めいわくし. 
但し 法師は 諂曲にして 人倫を 迷惑し. 

おうしんは ふかくにして じゃしょうを べんずること なし. 
王臣は 不覚にして 邪正を 弁ずること 無し. 

にんのうきょうに いわく 「もろもろの あくびく おおく みょうりを もとめ.
仁王経に 云く 「諸の 悪比丘 多く 名利を 求め. 

こくおう たいし おうじの まえに おいて みずから はぶっぽうの いんねん はこくの いんねんを とかん. 
国王 太子 王子の 前に 於て 自ら 破仏法の 因縁 破国の 因縁を 説かん. 

そのおう わきまえずして このごを しんちょうし よこしまに ほうせいを つくって ぶっかいに よらず. 
其の王 別えずして 此の語を 信聴し 横に 法制を 作つて 仏戒に 依らず. 

これを はぶつ はこくの いんねんと なす」. 
是を 破仏 破国の 因縁と 為す」. 

ねはんぎょうに いわく 「ぼさつ あくぞうとうに おいては こころに くふすることなかれ.  
涅槃経に 云く 「菩薩 悪象等に 於ては 心に 恐怖すること 無かれ. 

あくちしきに おいては ふいの こころを しょうぜよ. 
悪知識に 於ては 怖畏の 心を 生ぜよ. 

あくぞうの ために ころされては さんしゅに いたらず あくゆうの ために ころされては かならず さんしゅに いたる」. 
悪象の 為に 殺されては 三趣に 至らず 悪友の 為に 殺されては 必ず 三趣に 至る」. 

ほけきょうに いわく. 
法華経に 云く. 

「あくせの なかの びくは じゃちにして こころ てんごくに いまだ えざるを これ えたりと おもい がまんの こころ じゅうまんせん. 
「悪世の 中の 比丘は 邪智にして 心 諂曲に 未だ 得ざるを 為れ 得たりと 謂い 我慢の 心 充満せん. 

あるいは あれんにゃに のうえにして くうげんに あり.  
或は 阿練若に 納衣にして 空閑に 在り. 

みずから しんの みちを ぎょうずと おもいて にんげんを きょうせんするもの あらん. 
自ら 真の 道を 行ずと 謂いて 人間を 軽賎する者 有らん. 

りように とんじゃくするが ゆえに びゃくえのために ほうを といて. 
利養に 貪著するが 故に 白衣の与めに 法を 説いて. 

よに くぎょう せらるること ろくつうの らかんの ごとく ならん. 
世に 恭敬 せらるること 六通の 羅漢の 如く ならん. 

ないし つねに たいしゅうの なかに あって われらを そしらんと ほっするが ゆえに. 
乃至 常に 大衆の 中に 在つて 我等を 毀らんと 欲するが 故に. 

こくおう だいじん ばらもん こじ および よの びく しゅうに むかって ひぼうして. 
国王 大臣 婆羅門 居士 及び 余の 比丘 衆に 向つて 誹謗して. 

わが あくを といて これ じゃけんのひと げどうの ろんぎを とくと いわん. 
我が 悪を 説いて 是れ 邪見の人 外道の 論議を 説くと 謂わん. 

じょくこう あくせの なかには おおく もろもろの くふ あらん. 
濁劫 悪世の 中には 多く 諸の 恐怖 有らん. 

あっき そのみに いって われを めりし きにくせん. 
悪鬼 其の身に 入つて 我を 罵詈し 毀辱せん. 

じょくせの あくびくは ほとけのほうべん ずいき しょせつの ほうを しらず あっくして ひんしゅくし しばしば ひんずい せられん」. 
濁世の 悪比丘は 仏の方便 随宜 所説の 法を 知らず 悪口して 顰蹙し 数数 擯出 せられん」. 

ねはんぎょうに いわく 「われ ねはんののち むりょう ひゃくさい しどうの しょうにん ことごとく また ねはんせん 
涅槃経に 云く 「我れ 涅槃の後 無量 百歳 四道の 聖人 悉く 復た 涅槃せん. 

しょうほう めっして のち ぞうほうの なかに おいて まさに びく あるべし. 
正法 滅して 後 像法の中に 於て 当に 比丘 有るべし. 

じりつに じぞうして すこしく きょうを どくじゅし おんじきを とんしして. 
持律に 似像して 少く 経を 読誦し 飲食を 貪嗜して. 

そのみを ちょうようし けさを ちゃくすと いえども. 
其の身を 長養し 袈裟を 著すと 雖も. 

なお りょうしの ほそめに みて しずかに ゆくが ごとく ねこの ねずみをうかがうが ごとし. 
猶猟師の 細めに 視て 徐に 行くが 如く 猫の 鼠を 伺うが 如し. 

つねに このげんを となえん われ らかんを えたりと. 
常に 是の言を 唱えん 我 羅漢を 得たりと. 

そとには けんぜんを あらわし うちには とんしつを いだく あほうを うけたる ばらもんとうの ごとし. 
外には 賢善を 現し 内には 貪嫉を 懐く 唖法を 受けたる 婆羅門等の 如し. 

じつには しゃもんに あらずして しゃもんの かたちを げんじ.  
実には 沙門に 非ずして 沙門の 像を 現じ. 

じゃけん しじょうにして しょうほうを ひぼうせん」. 
邪見 熾盛にして 正法を 誹謗せん」. 

もんに ついて よを みるに まことににて しかなり. 
文に 就て 世を 見るに 誠に以て 然なり. 

あくりょを いましめずんば あに ぜんじを なさんや. 
悪侶を 誡めずんば 豈 善事を 成さんや.

きゃく なお いきどおりて いわく.
客 猶 憤りて 曰く. 
めいおうは てんちに よって けを なし せいじんは りひを さっして よをおさむ. 
明王は 天地に 因つて 化を 成し 聖人は 理非を 察して 世を 治む. 

せじょうの そうりょは てんかの きする ところなり. 
世上の 僧侶は 天下の 帰する 所なり. 

あくりょに おいては めいおう しんず べからず しょうにんに あらずんば けんてつ あおぐ べからず. 
悪侶に 於ては 明王 信ず 可からず 聖人に 非ずんば 賢哲 仰ぐ 可からず. 

いま けんせいの そんちょうせるを もって すなわち りゅうぞうの かるからざるを しんぬ. 
今 賢聖の 尊重せるを 以て 則ち 竜象の 軽からざるを 知んぬ. 

なんぞ もうげんを はいて あながちに ひぼうを なし. 
何ぞ 妄言を 吐いて 強ちに 誹謗を 成し. 

だれびとを もって あくびくと いうや いさいに きかんと ほっす. 
誰人を 以て 悪比丘と 謂うや 委細に 聞かんと 欲す. 

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by hiraganagosho | 2012-12-30 07:09 | 立正あんこく論