立正あんこく論  (安国論) 語句解説 3

□立正あんこく論 語句解説 3
(ごしょ18ページ2行目から20ページ13行目)

1.
こんこうみょうきょう (金光明経). 
しょうほうが 流布するころは、四天王をはじめ 諸天善じんが よくその国を守り、利益し、国に災厄なく 人々が幸福になると説いている。

2.
しぶのしゅう (四部の衆). 
びく、びくに、うばそく、うばいをいう。びく (比丘) とは 僧侶のこと。 びくに (比丘尼)とは 女性の僧侶のこと。うばそく (優婆塞) とは 男性の在家信者。 うばい (優婆夷) とは 女性の在家信者。

3.
あくしゅ (悪趣).  
あくしゅとは、十悪、五逆、ほうぼう (謗法) を犯した衆生が 落ちる苦悩の世界をいう。


4.
ねはん (涅槃). 
いっさいの煩悩の火を滅ぼした成仏の境地をいう。自由、平和、永遠を備えた幸福境涯。

5.
やしゃ (薬叉) 
夜叉とも書く。 インドの鬼神であるが 法華経の行者を守護する。ぶっ国土では 北方を守護する役目がある。

6.
ざんてん (讒諂) 
ざんてんとは 讒言のこと。事実を曲げて、いつわって、他人を悪く言うこと。

7.
りょうじつならび はくしょく つねなく 
(両日並び 現じ 薄蝕 恒無く) 
両日並び現じとは 太陽が2つ、3つと並ぶ現象のこと。
はくしょくとは 太陽や月が出ていながら その光をうしなうこと。

8.
黒白の にこう (二虹) 
黒や白の2色の虹のこと。古来 中国では、白い虹は 革命や戦乱の前兆として恐れられた。

9.
井の内に声を発し。  
地震のときに 井戸水が急に増減し 大砲のような音がすることがある。

10.
だいしつきょう (大集経) 
ほうとうぶ (方等部)の大乗きょう。

11.
しゆ ほつ そう みな ながく    
髭、髪、爪が長いとは、風俗の乱れや礼儀の衰退の意。

12.
すいじょうりん (水上輪) 
水車のこと。

13.
じょうごてん (浄居天) 
天上界の中の むぼんてん、むねつてん、ぜんげんてん、しきくきょうてんのこと。
(無煩天 無熱天 善現天 善見天 色究竟天)

14.
しちみ (七味) 
甘い、辛い、すっぱい、苦い、しおからい、しぶい、あわいの 七つの味。

15.
さんしょうけ (三精気) 
地、法、衆生の精気のこと。大地の力、政治や世間法の力、民の幸不幸の力のこと。
大地の力とは 作物や草木を繁茂させる力のこと。

16.
みょうけ (苗稼) 
稲の苗を植え付けること。


18.
こんあん (昏闇) 
昏とは 太陽が姿を隠して暗くなること。

19.
十不善業 
十種類の悪のごう因のこと。具体的には、殺生、偸盗、邪淫、妄語、綺語、悪口、両舌、貪欲、瞋恚、愚痴のこと。

20.
とんじんち (貪 瞋 癡) 
三毒のこと。最も根本的な三つの煩悩。むさぼり、いかり、おろかの意。

21.
しょうろく (ショウ鹿) 
鹿の一種。身に危険が迫ったとき、自分だけが助かることを望んで 父母や仲間を顧みないたとえ。

22.
にんのうきょう (仁王経). 
般若きょうの けっきょう (結経)。 

23.
にじゅうはっしゅく (二十八宿). 
太陽や月、五せい (木星 火星 土星 金星 水星) の運動をあらわすために 基準としていた28の星座のこと。東西南北に それぞれ7つの星座を置く。 

24.
ごげん (五眼).
肉げん、天げん、えげん (慧眼)、法げん、ぶつげん (仏眼)のこと。 
天げんとは 通力の眼で、暗くても明るくても見ることができる眼。えげんとは 智慧の眼。法げんとは 法理から事象を判断する眼。ぶつげんとは さんぜじゅっぽう (三世十法) 一切を見渡す仏の眼。 

25.
七難.
経典によって若干の相違がある。 
薬師きょうの七難は、他国しんぴつ難、自界ほん逆難、せいしゅくへんげなん (星宿変怪難)、日月薄蝕難 (にちがつはくしょくなん)、非時間風雨難、過時不雨難。 

26.
やくしきょう (薬師経). 
薬師如来に供養すれば、七難を逃れ 国が安穏になることが説かれている。 
立正あんこく論には、薬師きょうの七難が 用いられている。 

27.
せつていり (刹帝利).  
古代インドの中の四姓の中の 王族、武士階級を意味する。 
四姓とは4つの階級のことで、さいし (祭祀) を司る婆羅門、王族たるクシャトリア (刹帝利) 商人のバイシャ、奴隷のシュードラである。 
のちに このインドの階級は さらに細分化された。 

28.
かんちょうおう (灌頂王).  
大国の王の意。 

29.
にんしゅう疾疫の難 (人衆疾疫の難). 
伝染病の流行で 多くの人が死ぬ難のこと。 

30.
他国しんぴつ難. 
他国から侵略される難。 

31.
自界ほんぎゃく難. 
仲間同士の争い 同士討ちをいう。 
一国が 幾つかの勢力に分かれて争うこと。 

32.
せいしゅく変怪の難 (星宿変怪の難). 
彗星の出現、流星、星の運行に異変があり 凶事の瑞相とされた。 

33.
日月薄蝕の難. 
黒点、日蝕、月蝕などのこと。日月の異変は 国主に凶事の起こる瑞相とされた。 
太陽の黒点や光の強弱で 冷害や温暖などをもたらすことは 現代においては周知の事実である。 

34.
非時風雨の難. 
季節外れの暴風雨の気象異変。 
農作物などが被害を受け 飢饉になるなどの原因となる。 

35.
過時不雨の難. 
雨期に雨が降らないこと。 

36.
百億のしゅみ 百億の日月. 
しゅみとは 須弥山のこと。古代インドの世界観で 世界の中央に須弥山があり、その東西南北に 4つの大陸がある。南にえんぶだい (閻浮提) があり 人類が生息している大陸がえんぶだいである。日月は この須弥山を中心として運行している。 
このような世界が 百億あるとの意。 

37.
四天下. 
上記須弥山の周囲の4つの大陸のこと。 

38.
十六の大国.
当時のインドには 沢山の国があり、大きさによって 大中小と分けた。特に大きい国が16あった。 

39.
こく日(黒日) 二 三 四 五の日.  
皆既日蝕、太陽が複数見えるなどの意。 

40.
にちりん (日輪) 一重 二 三 四 五じゅうりん (五重輪).  
太陽の周囲に 環状の輪ができること。 

41.
りんせい (輪星). 
輪状のかさをもった星。かたちとしては土星のような星。 

42.
きせい (鬼星). 
二十八宿の1つで 南方に属す。 

43.
ふう星 ちょう星 なんじゅ 北斗 など. 
昴や北斗七星。その他 各種の星座のこと。 

44.
きか (鬼火). 
湿地に小雨が降る夜などに燃え出る 浮遊する青い火。あるいは 原因不明の火事をさす。 

45.
りゅうか (竜火) てんか (天火) さん神火 (山神火) など 
落雷 火山の爆発 樹木からの自然発火 放火などによる火災。 

46.
雷電へきれき. 
天空の放電現象とその雷鳴のこと。 

47.
しゃくすい こくすい せいすい (赤水 黒水 青水). 
大量の砂塵が巻き上げられたり 火山の爆発などで 雨が着色するなどの現象。 

20ページ1行目 

48.
たいふう こくふう てんふう ちふ かふう (大風、黒風、天風、地風、火風) など.  
巻き上げた砂塵で色づいた風、乾燥期の熱風、雨を交えた強風など。 

49.
こうよう (亢陽).   
大地も空気も熱しきっているありさま。 

50.
ひゃくそうこうかん (百草亢旱). 
一切の草が乾燥してしまうこと。 

51.
五穀. 
米、麦、粟 、黍、豆の5種類の穀物のこと。 

52.
大地赫燃. 
大地が高温に熱せられること。 

53.
かぞく すいぞく ふうぞく きぞく (火賊、水賊、風賊、鬼賊). 
火災、水害、風害などの災害に乗じて悪事を働く賊のこと。鬼賊とは 脱みょう者(脱命者)の賊のこと。 

54.
刀兵こう (劫). 
こうとは 1つの世界が誕生して消滅するまでの期間。 
刀兵とは 戦乱のこと。意味は 消滅前の争いの意。 

55.
無量世.
生まれてから死ぬまでの一生が数えられないほど重なること。 

56.
せ かい え (施、戒、慧).
布施、持戒、智慧(般若)の略。仏道修行の3つの修行。 

57.
穀貴. 
穀物の値段が高くなり 入手が困難になること。 

58.
教令. 
王が庶民に命令すること。 

59.
侵にょう. 
侵略のこと。 

60.
中止 (柱師) 
全軍を指揮 統率する大将のこと。 

61.
さいかん (宰官). 
役人のこと。 

62.
もうこのやから (盲瞽の輩). 
目がみえない人たちのこと。

63. 
迷惑の人. 
事理に暗く 迷い まどうこと。

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◎立正あんこく論 ひらがな漢字交互文 3へ

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by hiraganagosho | 2012-12-19 06:33 | 立正あんこく論