立正あんこく論 (安国論) ひらがな漢字交互文3

◎立正あんこく論 ひらがな漢字交互文3
(ごしょ18ページ2行目から20ページ13行目)

しゅじんの いわく そのもん はんたにして そのしょう ぐばくなり. 
主人の 曰く 其の文 繁多にして 其の証 弘博なり. 

こんこうみょうきょうに いわく 「そのこくどに おいて このきょう ありといえども いまだかつて るふせしめず. 
金光明経に 云く 「其の国土に 於て 此の経 有りと雖も 未だ甞て 流布せしめず. 

しゃりの こころを しょうじて ちょうもんせんことを ねがわず. 
捨離の 心を 生じて 聴聞せん事を 楽わず.

また くようし そんちょうし さんたんせず. 
亦 供養し 尊重し 讃歎せず. 

しぶのしゅう じきょうの ひとを みて また また そんちょうし ないし くようすること あたわず. 
四部の衆 持経の 人を 見て 亦 復た 尊重し 乃至 供養すること 能わず. 

ついに われら および よの けんぞく むりょうの しょてんをして. 
遂に 我れ等 及び 余の 眷属 無量の 諸天をして. 

この じんじんの みょうほうを きくことを えざらしめ かんろの あじに そむき しょうほうの ながれを うしない. 
此の 甚深の 妙法を 聞くことを 得ざらしめ 甘露の 味に 背き 正法の 流を 失い. 

いこう および せいりょく あること なからしむ. 
威光 及以び 勢力 有ること 無からしむ. 

あくしゅを ぞうちょうし にんてんを そんげんし しょうじの かわに おちて ねはんの みちに そむかん. 
悪趣を 増長し 人天を 損減し 生死の 河に 墜ちて 涅槃の 路に 乖かん. 

せそん われら しおう ならびに もろもろの けんぞく および やしゃとう かくの ごときことを みて そのこくどを すてて おうごの こころなけん. 
世尊 我等 四王 並びに 諸の 眷属 及び 薬叉等 斯くの 如き事を 見て 其の国土を 捨てて 擁護の 心無けん.  

ただ われらのみ このおうを しゃきするに あらず. 
但だ 我等のみ 是の王を 捨棄するに 非ず. 

かならず むりょうの こくどを しゅごする しょだいぜんじん あらんも みな ことごとく しゃこせん. 
必ず 無量の 国土を 守護する 諸大善神 有らんも 皆 悉く 捨去せん. 

すでに しゃりし おわりなば そのくに まさに しゅじゅの さいか あって こくいを そうしつすべし.
既に 捨離し 已りなば 其の国 当に 種種の 災禍 有つて 国位を 喪失すべし.

いっさいの にんしゅう みな ぜんしんなく ただ けいばく さつがい しんじょうのみ あって. 
一切の 人衆 皆 善心無く 唯 繋縛 殺害 瞋諍のみ 有つて. 

たがいに あい ざんてんし まげて つみなきに およばん. 
互に 相 讒諂し 枉げて 辜無きに 及ばん. 

えきびょう りゅうこうし すいせい しばしば いで りょうじつならび げんじ はくしょく つねなく. 
疫病 流行し 彗星 数ば 出で 両日並び 現じ 薄蝕 恒無く. 

こくびゃくの にこう ふしょうの そうを あらわし ほし ながれ ち うごき いのうちに こえをはっし. 
黒白の 二虹 不祥の 相を 表わし 星 流れ 地 動き 井の内に 声を発し. 

ぼうう あくふう じせつによらず つねに ききんにあって みょうじつ みのらず. 
暴雨 悪風 時節に依らず 常に 飢饉に遭つて 苗実 成らず. 

おおく たほうの おんぞくあって こくないを しんりゃくし じんみん もろもろの くのうを うけ.  
多く 他方の 怨賊有つて 国内を 侵掠し 人民 諸の 苦悩を 受け. 

とち しょらくのところ あることなけん」. 
土地 所楽の処 有ること無けん」. 

だいしっきょうに いわく 「ぶっぽう じつに おんもつせば しゅ ほつ そう みな ながく しょほうも また もうしつせん. 
大集経に 云く 「仏法 実に 隠没せば 鬚 髪 爪 皆 長く 諸法も 亦 忘失せん. 

そのとき こくうのなかに だいなる こえあって ちを ふるい いっさい みな あまねく うごかんこと なお すいじょうりんの ごとくならん.  
当の時 虚空の中に 大なる 声あつて 地を 震い 一切 皆 遍く 動かんこと 猶 水上輪の 如くならん.  
じょうへき やぶれ おち くだり おくう ことごとく やぶれ さけ じゅりんの ね えだ よう けよう か やく つきん. 
城壁 破れ 落ち 下り 屋宇 悉く ヤブれ 圻け 樹林の 根 枝 葉 華葉 菓 薬尽きん. 

ただ じょうこてんを のぞいて よっかいの いっさいしょの しちみ さんしょうけ そんげんして あまりあること なけん. 
唯 浄居天を 除いて 欲界の 一切処の 七味 三精気 損減して 余り有ること 無けん. 

げだつの もろもろの ぜんろん そのとき いっさい つきん.  
解脱の 諸の 善論 当の時 一切 尽きん. 

しょしょうの けかの あじわい きしょうにして また うまからず. 
所生の 華菓の 味い 希少にして 亦 美からず. 

しょうの せいせんち いっさい ことごとく こかくし とちことごとく かんろし てきれつして きゆうかんと ならん. 
諸有の 井泉池 一切 尽く 枯涸し 土地 悉く 鹹鹵し テキ裂して 丘カンと 成らん. 

しょざん みな しょうねんして てんりゅう あめを ふらさず みょうけも みな こしし しょうずるもの みな しし つき よそう さらに しょうぜず. 
諸山 皆 ショウ燃して 天竜 雨を 降さず 苗稼も 皆 枯死し 生ずる者 皆 死し 尽き 余草 更に 生ぜず. 

つちを ふらし みな こんあんに にちげつも みょうを げんぜず. 
土を 雨らし 皆 昏闇に 日月も 明を 現ぜず. 

しほう みな こうかんして しばしば しょあく ずいを げんじ. 
四方 皆 亢旱して 数ば 諸悪 瑞を 現じ. 

じゅうふぜんごうのどう とん じん ち ばいぞうして しゅじょう ふぼに おける これをみること しょうろくのごとくならん. 
十不善業の道 貪 瞋 癡 倍増して 衆生 父母に 於ける 之を観ること ショウ鹿の如くならん.

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しゅじょう および じゅみょう しきりき いらく げんじ.  
衆生 及び 寿命 色力 威楽 減じ. 

にんてんのらくを おんりし みな ことごとく あくどうにだせん. 
人天の楽を 遠離し 皆 悉く 悪道に堕せん. 

かくのごとき ふぜんごうの あくおう あくびく わが しょうほうを きえし てんにんのみちを そんげんし. 
是くの如き 不善業の 悪王 悪比丘 我が 正法を 毀壊し 天人の道を 損減し. 

しょてんぜんじん おうのしゅじょうを ひみんするもの このじょくあくの くにを すてて みな ことごとく よほうに むかわん」. 
諸天善神 王の衆生を 悲愍する者 此の濁悪の 国を 棄てて 皆 悉く 余方に 向わん」.

にんのうきょうに いわく. 
仁王経に 云く. 

「こくど みだれん ときは まず きじん みだる きじん みだるるがゆえに ばんみん みだる. 
「国土 乱れん 時は 先ず 鬼神 乱る 鬼神 乱るるが故に 万民 乱る. 

ぞく きたって くにを おびやかし ひゃくせい もうそうし しん くん たいし おうじ ひゃっかん ともに ぜひを しょうぜん. 
賊 来つて 国を 刧かし 百姓 亡喪し 臣 君 太子 王子 百官 共に 是非を 生ぜん. 

てんち けいし にじゅうはっしゅく せいどう にちがつ ときをうしない どをうしない おおく ぞく おこること あらん」と. 
天地 怪異し 二十八宿 星道 日月 時を失い 度を失い 多く 賊 起ること 有らん」と. 

また いわく 「われ いま ごげんを もって あきらかに さんぜを みるに. 
亦 云く 「我 今 五眼を もつて 明に 三世を 見るに. 

いっさいのこくおうは みな かこのよに ごひゃくのほとけに つかえるによって ていおう しゅと なることを えたり. 
一切の国王は 皆 過去の世に 五百の仏に 侍えるに由つて 帝王 主と 為ることを 得たり. 

ここをもって いっさいのしょうにん らかん しかも ために かのこくどのなかに らいしょうして だいりえきを なさん. 
是を為つて 一切の聖人 羅漢 而も 為に 彼の国土の中に 来生して 大利益を 作さん. 

もし おうのふく つきんときは いっさいのしょうにん みな ために すてさらん. 
若し 王の福 尽きん時は 一切の聖人 皆 為に 捨て去らん. 

もし いっさいのしょうにん さらんときは しちなん かならず おこらん」. 
若し 一切の聖人 去らん時は 七難 必ず 起らん」. 

やくしきょうに いわく 「もし せつていり かんちょうおう とうの さいなん おこらんとき. 
薬師経に 云く 「若し刹帝利 潅頂王 等の 災難 起らん時. 

いわゆる にんしゅうしつえきのなん たこくしんぴつのなん じかいほんぎゃくのなん せいしゅくへんげのなん にちがつはくしょくのなん ひじふううのなん かじふうのなん あらん」. 
所謂 人衆疾疫の難 他国侵逼の難 自界叛逆の難 星宿変怪の難 日月薄蝕の難 非時風雨の難 過時不雨の難 あらん」. 

にんのうきょうに いわく. 
仁王経に 云く. 

「だいおう わが いま けするところの ひゃくおくのしゅみ ひゃくおくのにちげつ いちいちのしゅみに してんげあり. 
「大王 吾が 今 化する所の 百億の須弥 百億の日月 一一の須弥に 四天下有り. 

その なんえんぶだいに じゅうろくのたいごく ごひゃくのちゅうごく じゅうせんのしょうごく あり. 
其の 南閻浮提に 十六の大国 五百の中国 十千の小国 有り. 

そのこくどのなかに ななつの おそるべき なん あり. 
其の国土の中に 七つの 畏る可き 難 有り. 

いっさいのこくおう これを なんと なすがゆえに いかなるを なんとなす. 
一切の国王 是を 難と 為すが故に 云何なるを 難と為す. 

にちがつどをうしない じせつほんぎゃくし あるいは せきじついで こくじついで に さん よん ごのひ いで. 
日月 度を 失い 時節 返逆し 或は 赤日出で 黒日出で 二 三 四 五の日 出で. 

あるいは にっしょくして ひかりなく. 
或は 日蝕して 光無く. 

あるいは にちりん いちじゅう に さん よん ごじゅうりん げんずるを いちの なんと なすなり. 
或は 日輪 一重 二 三 四 五重輪 現ずるを 一の難と 為すなり. 

にじゅうはっしゅく どを うしない. 
二十八宿 度を 失い. 

きんせい すいせい りんせい きせい かせい すいせい ふうせい ちょうせい なんじゅ ほくと ごちんのたいせい. 
金星 彗星 輪星 鬼星 火星 水星 風星 チョウ星 南斗 北斗 五鎮の大星. 

いっさいの こくしゅせい さんこうせい ひゃっかんせい かくのごとき しょせい. 
一切の 国主星 三公星 百官星 是くの如き 諸星. 

おのおの へんげんするを にのなんと なすなり. 
各各 変現するを 二の難と 為すなり. 

たいか くにを やき ばんせい しょうじんせん. 
大火 国を 焼き 万姓 焼尽せん. 

あるいは きか りゅうか てんか さんじんか じんか じゅもくか ぞくか あらん. 
或は 鬼火 竜火 天火 山神火 人火 樹木火 賊火 あらん. 

かくのごとく へんげするを さんのなんと なすなり. 
是くの如く 変怪するを 三の難と 為すなり. 

たいすい ひゃくせいを ひょうもつし じせつ ほんぎゃくして. 
大水 百姓を ヒョウ没し 時節 返逆して. 

ふゆあめふり なつゆきふり とうじに らいでん へきれきし. 
冬雨ふり 夏雪ふり 冬時に 雷電 霹レキし. 

ろくがつに ひょう そう はくを ふらし しゃくすい こくすい せいすいを ふらし. 
六月に 氷 霜 雹を 雨らし 赤水 黒水 青水を 雨らし. 
 
どざん せきざん をふらし さりゃくせきを ふらす. 
土山 石山を 雨らし 沙礫石を 雨らす. 

こうが ぎゃくに ながれ やまを うかべ いしを ながす. 
江河 逆に 流れ 山を 浮べ 石を 流す. 

かくのごとく へんずるときを よんのなんと なすなり. 
是くの如く 変ずる時を 四の難と 為すなり.

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たいふう ばんせいを ふきころし こくど さんが じゅもく いちじに めつぼつし. 
大風 万姓を 吹殺し 国土 山河 樹木 一時に 滅没し. 

ひじの たいふう こくふう せきふう せいふう てんふう ちふう かふう すいふう あらん. 
非時の 大風 黒風 赤風 青風 天風 地風 火風 水風 あらん. 

かくのごとく へんずるを ごのなんと なすなり. 
是くの如く 変ずるを 五の難と 為すなり. 

てんち こくど こうようし えんか どうねんとして ひゃくそう こうかんし. 
天地 国土 亢陽し 炎火 洞燃として 百草 亢旱し. 

ごこく みのらず とち かくねんと ばんせい めつじんせん. 
五穀 登らず 土地 赫燃と 万姓 滅尽せん. 

かくのごとく へんずる ときを ろくのなんと なすなり. 
是くの如く 変ずる 時を 六の難と 為すなり. 

しほうの ぞく きたって くにを おかし ないがいの ぞくおこり. 
四方の 賊 来つて 国を 侵し 内外の 賊 起り. 

かぞく すいぞく ふうぞく きぞく ありて ひゃくせい こうらんし とうひょうこう おこらん. 
火賊 水賊 風賊 鬼賊 ありて 百姓 荒乱し 刀兵刧 起らん. 
 
かくのごとく けするときを しちのなんと なすなり」. 
是くの如く 怪する時を 七の難と 為すなり」. 

だいしつきょうに いわく. 
大集経に 云く. 

「もし こくおう あって むりょうせに おいて せかいえを しゅうすとも. 
「若し 国王 有つて 無量世に 於て 施戒慧を 修すとも. 

わが ほうの めっせんを みて すてて おうご せずんば. 
我が 法の 滅せんを 見て 捨てて 擁護 せずんば. 

かくのごとく うゆる ところの むりょうの ぜんこん ことごとく みな めつしつして そのくに まさに みつの ふしょうのこと あるべし. 
是くの如く 種ゆる 所の 無量の 善根 悉く 皆 滅失して 其の国 当に 三の 不祥の事 有るべし. 

いちには こっき にには ひょうかく さんには えきびょうなり. 
一には 穀貴 二には 兵革 三には 疫病なり. 

いっさいの ぜんじん ことごとく これを しゃりせば その おう きょうれいすとも ひと ずいじゅうせず. 
一切の 善神 悉く 之を 捨離せば 其の 王 教令すとも 人 随従せず. 

つねに りんごくの しんにょうする ところとならん. 
常に 隣国の 侵ニョウする 所と為らん. 

ぼうか よこしまに おこり あくふうう おおく ぼうすい ぞうちょうして じんみんを ふき ただよわし. 
暴火 横に 起り 悪風雨 多く 暴水 増長して 人民を 吹 タダヨワし. 

ないがいの しんせき それ ともに むほんせん. 
内外の 親戚 其れ 共に 謀叛せん. 

そのおう ひさしからずして まさに じゅうびょうに あい いのち おわるの のち だいじごくの なかに しょうずべし. 
其の王 久しからずして 当に 重病に 遇い 寿 終の 後 大地獄の 中に 生ずべし. 

ないし おうのごとく ふじん たいし だいじん じょうしゅ ちゅうし ぐんじゅ さいかんも またまた かくのごとく ならん」. 
乃至 王の如く 夫人 太子 大臣 城主 柱師 郡守 宰官も 亦復た 是くの如く ならん」. 

それ しきょうの もん あきらかなり まんにん だれか うたがわん. 
夫れ 四経の 文 朗かなり 万人 誰か 疑わん. 

しかるに もうこのやから めいわくのひと みだりに じゃせつを しんじて せいきょうを わきまえず. 
而るに 盲瞽の輩 迷惑の人 妄に 邪説を 信じて 正教を 弁えず. 

ゆえに てんか せじょう しょぶつ しゅうきょうに おいて しゃりの こころを しょうじておうごの こころざし なし. 
故に 天下 世上 諸仏 衆経に 於て 捨離の 心を 生じて 擁護の 志 無し. 

よって ぜんじん しょうにん くにを すて ところを さる.  
仍て 善神 聖人 国を 捨て 所を 去る. 

これを もって あっき げどう さいを なし なんを いたす. 
是を 以て 悪鬼 外道 災を 成し 難を 致す.

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○立正あんこく論 ひらがな文 3へ

□立正安国論 語句解説 3へ 

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by hiraganagosho | 2012-12-19 06:46 | 立正あんこく論